ガラスブロックとは?種類・サイズ・価格・施工方法までわかる総合ガイド
ガラスブロックは2枚のガラスを溶着し中を空洞にした建材で、光を通しながら視線を遮れます。この記事では種類・サイズ・厚み・価格の目安・施工方法・建築での扱いまで、検討に必要な情報をまとめて整理します。
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この記事の要点

ガラスブロックとは?
ガラスブロックとは、コの字型に成形した2枚のガラスを高温で溶着し、中に空気層をもたせたブロック状の建材です。「ブロックガラス」「ガラスのブロック」と呼ばれることもありますが、指しているものは同じです。内部が密閉された空洞になっているため、単なる板ガラスとは光の見え方も性能も変わります。
板ガラスやガラスレンガとの違い
板ガラスは1枚の平らなガラスで、透明なら向こう側がはっきり見えます。ガラスブロックは厚みがあり、内部の空気層と表面の凹凸によって光が拡散します。その結果、明るさは取り込みつつ、人の姿はぼんやりとしか見えません。
もう一つ、ガラスレンガという建材もあります。こちらはレンガのように細長い形状で、中実(中が詰まっている)タイプもあります。積み上げたときの目地の線が細かく出るため、同じガラスでも印象がかなり変わります。DEILでも、壁として成立する厚みのガラスブロック「BLOCK」と、レンガの構成をガラスで再構築した「BRICK」を分けて扱っています。
基本的な構造
二重構造:2枚のガラスを溶着し、内部に空気層をもつ
表面の加工:プレーン(平滑)、フロスト(すりガラス状)、模様入りなど
色:クリアのほか、着色されたカラータイプがある
目地:ブロック同士の間に入る継ぎ目。意匠にも強度にも関わる
ガラスブロックはなぜ使われるのか?
理由は大きく分けて「光」「視線」「性能」「意匠」の4つです。どれか1つだけを目的に使うことは少なく、複数の役割を兼ねられる点が、この建材が長く使われている理由といえます。
光を通しながら視線を遮る
採光と目隠しは、普通の窓では両立しにくい要求です。透明にすれば視線が抜け、すりガラスにすると光量が落ちる、という悩みは住宅でも店舗でもよく出ます。ガラスブロックは光を拡散して内部に届けるため、プライバシーを守りながら明るさを確保しやすくなります。浴室、トイレ、玄関、隣家と近い面の壁などで選ばれるのはこのためです。
断熱性・遮音性が期待できる
内部の空気層があるため、1枚の板ガラスと比べれば断熱性や遮音の面で有利とされます。ただし数値は製品と施工条件によって大きく変わります。省エネ計算や遮音等級が必要な計画では、使用する製品のカタログ値を確認し、設計者と一緒に判断してください。
防犯性と意匠性
厚みと重量があるため、板ガラスに比べて割りにくいという特徴があります。外部に面した採光壁で選ばれる理由の一つです。加えて、光の当たり方で表情が変わるため、素材そのものがデザイン要素になります。海外の著名店舗でガラスブロックのファサードが採用されてきたのも、この見え方の効果によるものです。
ガラスブロックは何に使う?
用途は住宅から店舗、オフィス、外構まで広がります。代表的な使い方を整理します。
場所 | 主な用途 | 検討のポイント |
住宅(室内) | 玄関ホールと居室の間仕切り、階段まわり、廊下の採光壁 | 閉じつつ光を回す。床の下地補強が必要な場合がある |
住宅(水まわり) | 浴室・洗面・トイレの採光壁 | 結露と防水の納まり。目地のメンテナンス |
住宅(外部) | 外壁の一部、門柱、塀、庭の袖壁 | 外部使用可の製品か、耐候性と強度 |
店舗 | ファサード、入口まわり、カウンター前面、什器の腰壁 | 照明計画とセットで考える。夜の見え方 |
オフィス | 会議室の間仕切り、エントランス、集中ブースの壁 | 遮音の要求値、可動性の有無 |
カウンターや什器への応用
近年は、壁だけでなくカウンターの腰壁やレジ前、ディスプレイ台の側面に使う例も増えています。照明を仕込むと内部で光が拡散し、面として発光しているように見えます。ただし荷重がかかる天板の直下に使う場合は、ブロックに直接荷重をかけない下地の組み方が必要です。
ガラスブロックの種類とカラー
ガラスブロックの種類は、大きく「表面の加工(柄)」「色」「形状」で分かれます。国内では電気硝子建材(日本電気硝子グループ)などのメーカーがシリーズ展開しており、プレーン、カスミ、たまゆら、指向性、フロストといったシリーズ名で呼ばれます。LIXILやYKK APなどの建材メーカーが、窓や外構商品の一部としてガラスブロックを組み込んだパネル製品を扱っている場合もあります。
表面加工による見え方の違い
プレーン:内面が平滑で、透過感が高い。光をよく通す
フロスト:すりガラス状。視線をしっかり遮り、柔らかい光になる
模様入り(クロスリブなど):内面に凹凸があり、光が細かく分かれる
指向性:光を特定の方向へ導くタイプ。天窓や高所の採光で使われる
カラーガラスブロック
クリア以外に、ブルー、グリーン、ピンク、アンバーなどの色付き製品があります。色付きは光が透過したときに床や壁に色が落ちるため、面積が小さくても空間全体の印象を変えます。サンプルを取り寄せ、実際の光の下で確認することをおすすめします。DEILが扱うガラスレンガ「BRICK」も着色に対応しています。
形状のバリエーション
正方形が基本ですが、長方形、丸型、コーナー用のエンドブロック(小口が化粧されたもの)などがあります。壁の端部や曲がり角をきれいに納めるには、エンドブロックの有無が効いてきます。計画の初期に、使いたい製品に端部用があるかを確認しておくと安心です。
ガラスブロックのサイズと寸法の目安
もっとも流通しているのは190mm角と145mm角です。厚みは95mm前後が標準で、薄型の50mm厚や、大判の300mm角もあります。以下は一般的な目安で、実寸法や許容差は製品ごとに異なります。
呼び寸法 | 厚みの目安 | 主な使いどころ |
145mm角 | 約95mm / 薄型は約50mm | 小面積の間仕切り、水まわり、細かい割付 |
190mm角 | 約80mm | もっとも標準的。壁全般 |
300mm角 | 約100mm | 大判で目地が少ない。ファサードや大きな壁面 |
長方形(190×90など) | 約95mm | 横方向の線を強調したいとき |
丸型 | 製品による | アクセント、部分的な採光 |
割付の考え方
寸法を決めるときは、ブロック単体の寸法ではなく「ブロック寸法+目地幅」で計算します。たとえば190mm角に目地10mmなら、1マスあたり200mmで割り付けます。開口の内法寸法(実際に空いている寸法)に対して割り切れないと、端部に半端が出ます。図面段階で割付図を描いておくと、現場で悩みません。
建築にガラスブロックは使えますか?
使えます。実際に、住宅の外壁、共同住宅の共用部、店舗のファサードなど、ガラスブロック建築の事例は数多くあります。ただし、いくつかの前提があります。
構造上の扱い
ガラスブロックの壁は、原則として建物の重さを支える耐力壁にはなりません。非耐力の壁、または開口部の一部として計画します。柱や梁、まぐさ(開口上部の横材)でしっかり躯体側を受け、ガラスブロックには構造的な荷重をかけない納まりが基本です。
法規の確認
防火地域・準防火地域の外壁の開口部、延焼のおそれのある部分、避難経路に面する壁などでは、使用できる製品や納まりに条件が付くことがあります。防火設備としての認定を受けた仕様があるかどうかは製品によって異なります。計画に入れる前に、必ず設計者および所轄の行政庁・審査機関に確認してください。この記事の内容は一般的な整理であり、個別の可否を保証するものではありません。
面積と高さの制限
1つの壁面として連続させられる面積や高さには、製品ごとに推奨値が定められています。大きな面をつくる場合は、途中に躯体や補強材を入れて分割するのが一般的です。メーカーの施工要領書に従うのが確実です。
ガラスブロックの施工方法
施工方法は大きく2つに分かれます。どちらを選ぶかで工期もコストも変わるため、早めに決めておきたい部分です。
湿式工法(モルタルで積む)
モルタルで目地をつくりながら積み上げる、従来からの方法です。目地の中に鉄筋を通して補強し、金物で躯体に固定します。自由な形に対応しやすく、面積が大きい壁や外部に向いています。一方で、乾燥の時間が必要なため工期は長めです。目地の仕上がりが見た目を大きく左右するので、職人の技量が出ます。
乾式工法(パネル・フレームにはめ込む)
あらかじめ枠にガラスブロックを組み込んだパネル状の製品を、開口部にはめ込む方法です。「ハウスパネル」などの名称で流通しています。施工が速く、リフォームでも扱いやすいのが利点です。サイズや割付は製品ラインアップの範囲内になります。
施工手順の流れ(湿式の例)
開口の下地・躯体を確認し、必要な補強を行う
割付図に合わせて基準の墨出しをする
下端に受け材・緩衝材を設置する
目地幅を保持する金物を使いながら、下から順に積む
目地内に鉄筋を通し、躯体側の金物と緊結する
目地をモルタルで充填し、仕上げる
周囲にシーリングを打ち、動きを吸収させる
現場で気をつけていること
内装の設計施工を一貫で行う立場から見ると、ガラスブロックの失敗は施工そのものより「前段の確認不足」で起きることが多いです。具体的には、床や下地の耐荷重の確認漏れ、割付が半端になって端部が不自然になる、照明の位置が悪くて昼はきれいでも夜は暗く沈む、といったケースです。ガラスブロックは重量があるため、木造の2階に大きな壁をつくるなら下地の検討が要ります。設計の段階で、壁の重さ・割付・照明の3点を一緒に決めておくと、仕上がりが安定します。
ガラスブロックの価格とどこで買えるか
価格は製品・サイズ・色・数量で変わります。一般的には、1個あたり数百円から数千円の幅があると考えてください。カラーや大判、特殊形状は高くなる傾向があります。
費用の内訳
項目 | 内容 |
製品代 | ガラスブロック本体。個数×単価 |
副資材 | 目地材、鉄筋、金物、緩衝材、シーリング |
施工費 | 積み手間、下地・補強、養生 |
運搬費 | 重量物のため、数量が多いと影響が出る |
付帯工事 | 既存壁の解体、電気配線の移設、周囲の仕上げ直し |
購入先の選択肢
ホームセンター:取り扱いがある店舗もありますが、種類は限られます
メーカーの直販・ネットショップ:種類が豊富。数量や納期を確認
建材商社・タイル販売店:在庫品やアウトレット品が見つかることもある
内装会社・工務店経由:施工とセットで相談できる
DEILが扱うオリジナルガラス建材「THE GLASS」の参考単価は、税抜800円〜(税込880円〜)/個です。受注輸入品で再生ガラスを使っているため、個体ごとに気泡や色味の差が出ます。これは不良ではなく製品の特性ですが、均一な仕上がりを求める計画には向かない場合があるので、サンプルで実物を確認してから判断してください。詳しくはTHE GLASSの製品ページをご覧ください。厚みと重量があり壁として成立させるタイプはBLOCK、レンガのように積んで光と質感を加えるタイプはBRICKとして分けています。
検討の進め方
目的を決める:採光か、目隠しか、意匠か。優先順位をはっきりさせる
場所と面積を決める:壁の位置、高さ、幅。周囲の躯体や下地を確認する
製品を選ぶ:サイズ、厚み、柄、色。サンプルを実際の光で確認する
施工方法を決める:湿式か乾式か。工期と予算のバランスで判断する
法規を確認する:防火・避難に関わる部分は設計者と所轄行政庁へ
割付図をつくる:目地幅を含めて、端部の納まりまで描く
見積もりを取る:製品代だけでなく、施工費と付帯工事まで含めて比較する
使う場所や枚数が決まっていない段階でも、サンプルを見ながら方向性を整理することはできます。施工まで含めた相談はガラスブロックの相談ページから受け付けています。
よくある質問
ガラスブロックはホームセンターで買えますか?
取り扱いのある店舗もありますが、サイズや柄の種類は限られることが多いです。まとまった枚数や特定の柄・色が必要な場合は、メーカーのネットショップ、建材商社、または施工も相談できる内装会社経由のほうが選択肢が広がります。納期は在庫品か受注品かで大きく変わるため、早めに確認してください。
ガラスブロックに断熱性や遮音性はありますか?
内部に空気層があるため、1枚の板ガラスと比べれば断熱・遮音の面で有利とされています。ただし性能値は製品と施工条件で変わります。省エネ計算や遮音等級が求められる計画では、使用する製品のカタログ値を確認し、設計者と一緒に判断してください。
ガラスブロックの壁に鉄筋は必要ですか?
モルタルで積む湿式工法では、目地の中に鉄筋を通して補強し、金物で躯体と緊結するのが一般的です。必要な鉄筋の太さや本数、補強の間隔は、壁の面積や設置場所によって変わります。メーカーの施工要領書に従い、設計者の指示のもとで施工してください。
割れた場合は1枚だけ交換できますか?
乾式のパネル工法であれば、パネル単位での対応がしやすい場合があります。モルタルで積んだ湿式の壁は、周囲の目地をはつる作業が必要になるため、部分交換の難易度は上がります。外部や人の動線に近い場所では、交換の可能性も見込んで施工方法を選んでおくと安心です。
